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刃物の簡単なお手入れ法

ここでは、最も一般的に使用している両刃の三徳・万能包丁について説明します。

包丁の研ぎ方マニュアル(鋼付菜切り両刃)

注、鋼付菜切り両刃とは、刃金を地金の真中に挟んだ状態の包丁のことを言います。
(図1参照 )

今回使用する砥石:荒砥石GC200番程度(図2.参照)、中砥石1000番程度(図3参照)


研ぎの準備.(砥石を使いやすい状態にしよう)

注、砥石はいつも同じ面を使って研ぐようにしましょう。表裏両方を使うと、図4.の黄色線のように砥石の表裏が凹面となります。そのため砥石が真中から割れてしまう原因となります。


準備1.砥石を水に浸ける。

砥石は、研ぎを行う前日に砥石全体を水に浸しておく必要があります。前日に浸し忘れたときは、砥石を水に浸したときに砥石から水泡が出なくなるまで浸しておきます(30分〜1時間程度)(図5参照)。
水に十分に浸していないと包丁刃先の焼きの戻り、砥石の水切れの原因となります。浸し終えたら、砥石の表面の面直しをします。
焼きの戻りとは・・・鋼は高温になると刃が柔らかくなる性質があります。それを、焼きの戻りと言います。
砥石の水切れとは・・・研ぎを行っている最中に砥石に水がしみこむのが早い状態を言います。水切れを起こすと包丁が熱を持ちやすくなります。


準備2.砥石の面直しをしよう。

面直しは、荒砥、中砥、仕上げ砥とそれぞれ別々に行います。

  • 荒砥石はアスファルトの上で行います。面直しの方法は、荒砥石は砥石を手に持って、アスファルトの上で時々水を含ませながらながら前後させます。そして、全体が一様に削れた状態になったら、もしくは砥石の凹面がなくなったら面直しは終了です。
  • 中砥石は面直しした荒砥石で行います。中砥石を手に持って荒砥石の上を前後させます。時々水を含ませながら作業を行います。
  • 仕上げ砥石は中砥石を使って面直しをします。仕上げ砥石の場合は面直し後の中砥石を使って、仕上げ砥石の上を中砥石で水を含ませながら前後させます。

準備3.砥石を台にセットする。
台付の砥石の場合はそのままお使いください。砥石のみの場合は、研ぐ時ズレないように砥石を固定します。固定の仕方は、台所の流し上にコンパネなどの板を置き、ご自分が研ぎやすい高さになるような研ぎ台を作ると作業がしやすくなります(図6参照)。そして、研ぎ台の上に砥石を固定出来る様に固定板(図7参照)を設置します。


準備4.研ぐためのポジションを確かめよう。

 包丁研ぎは基本的には立った状態で行います。今一度、砥石の前に立ち、包丁を握ってみて、体勢がきつくないかどうか確かめましょう。もしもきつい場合には、砥石の下の板をもう1枚増やすなどして最も楽な体勢を取れるようにしましょう。研ぎ時間は通常、約10分から20分かかりますので、出来るだけ体の負担のない体勢をとるように心がけましょう。無理な体勢は、腰痛などの原因となります。ご注意ください。

それでは、包丁研ぎを始めましょう。

1.荒研ぎする。
(地金部を研ぐ)

  • 左手で柄の部分を一定角度(10円玉が1枚はさめる程度・図8参照)に保てるようにしっかり握り、刃先を前方に向けます。

右手は包丁を上から押さえるようにします。この時、右手の親指を包丁の峰の部分に当てて、右手が滑らないように注意しましょう。右手が滑るとケガの元となりますのでくれぐれもご注意ください。

  • 次に、荒砥石(#200〜600)上を上記の要領で地金部全体(図9参照)を網羅するように50回前後させます。(※押す時に力を入れるようにします。引くときは力を抜くようにしましょう。図10参照)
  • 次に、柄の部分を右手に持ち替えて同じ要領で研ぎます。

(※砥石に水気がなくなったと感じたら、手で水をすくって砥石の上にかけましょう。砥石の水切れは包丁刃の焼きの戻りの原因となります。水をかけるタイミングがわからないときは、上記の研ぎを表裏2回づつ繰り返した後に水をかけるようにしましょう。

  • 上記を何度か繰り返して、地金全体に砥石がかかったら地金部の研ぎを終りです。

(刃金部の荒研ぎ)(図11参照)

  • 刃金部を研ぐ際は包丁の角度を10円玉が2枚はさめる程度傾けて研ぎます。(図12参照)

(※表、裏の刃金部分が同程度出ているか確認しながら研ぎましょう)

  • 刃金部を表裏繰り返し研いでいると刃先にカエリが出ます。カエリとは金属に限らず材料を削ったときに出る加工先端部がめくれた状態のことを言います。(図13参照)

カエリの大きさは1/1000mmから10/1000mm程度なので、目視で確認するのは困難なため、指先の感覚で確認します。確認の方法は、地金部から刃先の方に向けて指を滑らせて確認します。カエリがある場合、ザラッとした感覚があります。カエリのない場合は、ツルツルとした手触りになります。(図14参照 カエリ確認図)

  • 刃先全体(図15参照)にカエリを確認出来たら荒砥ぎ終了です。刃先に刃こぼれ、刃の欠けがある場合にはそれらがなくなるまで荒研ぎします。

2.中研ぎする。

  • 中砥石(#1000〜1200)を使って刃先部分を中心に研ぎを行います。荒砥ぎの刃金部を研ぐ要領で研ぎます。
  • 刃先にカエリが出たら、カエリを取るために刃金部を研ぐときよりも少し包丁を立てた状態で力をほとんど入れない状態で1,2回研ぎます。そうするとカエリが取れます。カエリが取れたら切れる状態になっているはずです。

以上で、鋼付菜切り包丁の研ぎを終わります。

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